「これ、もう使えないから捨てるしかない」──
そんな端材が、子どもたちの手にかかると、思いがけない作品に生まれ変わります。
日本アップサイクル協会は、ICHI DESIGN OFFICEさんと一緒に、廃材を使った工作を楽しむイベント 「デザインアートラボ」 を開催しました。
子どもたちの柔らかな発想とアップサイクルが出会うと、どんな未来が見えてくるのでしょうか。
イベント概要


- 日時:2025年 6月 28日(土)
- 主催:ICHI DESIGN OFFICE
- 後援:日本アップサイクル協会
- 端材提供企業:児玉ゴム商会、広島樹脂工業
このイベントのテーマは、「デザイン思考とアート思考を体験する」こと。
子どもたちはお気に入りの写真を持参し、フォトフレームやストラップなどを制作しました。
しかも「自分のためではなく、ママやパパ、お友だちなど“誰かのため”に作る」というルールを取り入れることで、自然とデザイン的な発想とアート的な表現を行き来できる時間になりました。
会場には、プロダクトデザイナーの伊藤佑一さん、グラフィックデザイナーの蔵田久美子さん、そして、主催の「ICHI DESIGN OFFICEの勝宮彩さん」が先生として参加。日本アップサイクル協会からも理事が加わり、子どもたちと一緒にワイワイと手を動かしました。
使用した素材は、児玉ゴム商会さんのゴム端材や、広島樹脂工業さんのアクリル端材。普段なら工場で処分されてしまうはずのものが、子どもたちのアイデアによって、新しい価値を持つ作品へと変わっていきました。
デザイン思考とアート思考の違い
今回のイベントで、ICHI DESIGN OFFICEの勝宮さんが大事にしたのは「2つの考え方の違い」を体験してもらうことです。
「デザイン思考」とは、限られた時間や材料の中で工夫しながら、”誰かに喜んでもらうために作る”こと。一方で「アート思考」は、時間や材料にとらわれず、”自分がやりたいことを自由に表現する”ことです。
大切なのは「自分のためではなく、ママやパパ、お友だちなど“誰かのため”に作ること」。その工夫の中に、デザイン的な発想と、自由なアート表現が自然に入り込んでいき、デザイン思考とアート思考の両方を自然に体験していきました。
デザイン思考:限られた時間や材料の中で工夫しながら、”誰かに喜んでもらうために作る”こと。
アート思考:時間や材料にとらわれず、自分がやりたいことを”自由に表現する”ことです。
会場の様子




会場は最初から最後までにぎやかな雰囲気。真剣に手を動かす子どもたちの横で、保護者の方も笑顔で見守っていました。
先生たちが「この素材はどうかな?」「もっと自由に発想してみて」と声をかけると、子どもたちの表情がぐっと明るくなり、夢中で作業に没頭。完成した作品を見せ合う姿には、大人も思わず拍手を送っていました。
参加者からは、こんな声が寄せられました。
- 「子どもが夢中で時間が足りないくらいでした」
- 「またやりたい!と帰り道でも話していました」
- 「自由な発想で作らせてもらえて良かった」
会場全体が“ものづくりの楽しさ”で包まれていたのが印象的でした。
「デザインとアートの違いが分かった」という感想も多く、保護者からも、「説明が分かりやすくて親自身も学びになった」「子どもが自由に表現できる場を持てたことが嬉しかった」といった声が多く寄せられました。
協会としての意義




この「デザインアートラボ」では、子どもたちが手を動かしながら「どうしたらもっと喜んでもらえるかな?」と考えたり、自由に表現する楽しさを味わったり。そうした体験を通じて、ものづくりの面白さとアップサイクルの大切さを自然と感じてもらえる時間になりました。
こうした小さな体験の積み重ねこそが、未来のアップサイクルにつながると考えています。これからは子どもたちのアイデアを形にする挑戦や、もっとたくさんの人にアップサイクルの魅力を届けていきたいと思っています。
まとめ


廃材はただのゴミではなく、新しい価値を生み出す素材。
そして、子どもたちの自由な発想が加われば、その可能性は無限に広がります。
今回の「デザインアートラボ」を通じて見えたのは、未来のアップサイクラーたちの姿でした。
👉 次回のイベント情報は、協会サイトやニュースで随時お知らせします。
👏 今回のイベントを主催された ICHI DESIGN OFFICE さん 👏